災害時のアレルギー対応

更新日:2021年07月28日

地域・周囲の方の理解と配慮のお願い

被災生活が長期化するような場合、被災者への食料の配布や食事の提供をはじめとする避難所の運営は、基本的には、避難者及び地域住民で協力して行っていくこととなります。

また、食物アレルギー疾患患者数は、未満児を中心に5%程度罹患していると言われ、原因となる食物を食べると様々な症状をおこし、命の危険があります。このため、災害時、貴重な支援食であっても、食べてはいけないものもあります。

食物アレルギーがある方やその家族は、普段から食事のたびに大変な気を使っておられ、共同生活を共にされる可能性のある地域のみなさまには、食物アレルギーの知識を深めていただき、食物アレルギーがある方への配慮にご協力ください。

貴重な災害時の食事でも食べられないものがあります

好き嫌いという“ぜいたく”では決してありません。

1.食事を配る際は、声掛けをお願いします

食物アレルギーの原因は人それぞれ違い、その原因となる食物を毎日の食事から除去する必要があります。食物アレルギーがある方やその家族は、“非常時であるからこそ”食物アレルギーがあることを言い出しにくいことが多いので、周りの地域のみなさまから「食物アレルギーの方はいませんか」、「食べられるものを教えてください」と声掛けをお願いします。

使用している食材の質問には、適当に答えず、正確に調べて答える必要があります。

2.炊出しなどの共同調理の際は、注意してください

アレルギー食品数が少なく、共同調理の際に対応が可能な場合は、原因食物を使用しない調理への工夫へご協力をお願いします。その際は、食物アレルギーがある方のご家族を調理にご協力いただくなどの工夫をしましょう。

また、個別対応が難しい場合は、人数分の食材をそのご家族へ分け、調理場で家族が調理することを認めてあげてください。

(参考様式)

3.支援物資の配布時には、まずアレルギー対応食品とそれ以外に分けましょう

アレルギー対応食品やアレルギー用ミルクは、過去の事例から災害時には特に手に入らない可能性があります。まずは、対応食品かそれ以外に仕分けを行い、食物アレルギーがある方へ優先して配布できるようにご理解とご配慮をお願いします。

4.お菓子をあげる時にも注意してください

食物アレルギーがある方が子どもである場合、自分が食べられないものを理解していないこともあります。子どもたちにお菓子などをあげる際は、食物アレルギーの有無を確認しましょう。

アレルギーがある方の災害対策

1.携帯カードを胸元に着用しましょう

災害時の食物アレルギー対応については、周囲の方の理解を得ながら自己防衛を行うことが基本となりますが、自分から言い出せないこともあり、周囲からもアレルギーがあるということが瞬時に見分けることができることは、誤食から命を守るために必要な手段の一つとなります。

食物アレルギーがあることを名札として胸に着用し、周囲に知らせる“携帯カード”をご活用ください。普段使いもできるよう工夫してあります。

2.医師による診断・指示を受け、適切な対応をしましょう

普段から定期的に医療機関を受診し、必要最小限の除去にしておくことはとても大切なことです。

また、年に1回は携帯カードを新しい情報に書き換えるとともに、患者自身がアレルギーのことを理解し、自分で除去することや、周囲の人に説明できるように練習しておきましょう。 

3.事前に備蓄しましょう

水と食料の備蓄

災害時は、物流がストップし、“水や食料”が手に入れづらくなりますが、アレルギー対応食品やアレルギー用ミルクとなると、特に手に入らない可能性があります。

また、全国から届く支援物資の中にも、アレルギー対応食品がない場合もあり、過去の災害では、お米だけを食べていたという事例もあります。

災害時に苦しい避難生活を送ることのないよう、普段使い(ローリングストック)を心掛けながら、各家庭にて、1週間分以上、できれば10日間分の備蓄をしておきましょう。

(注)アレルギー食品は、特に手に入らないことが想定されるため、多めに備蓄しましょう。

(注)水は、飲料用だけでも、1人1日3リットルが目安です。

専用の食器、調理器具、電源を確保

避難先では、共同調理が基本となり、アレルギー食品が混入するリスクが増え、誤食による命の危険があります。避難先の責任者や調理を担当される方に対して、原因食品を使用しない調理の工夫をお願いするとともに、「食べられるものを優先的に選ばせてほしい」、「食材をわけ、調理場の使用を認めてほしい」ことを伝えましょう。

また、積極的に共同調理に協力することはもちろんのこと、家族だけでも調理ができるよう、家庭で代替品も含めた調理器具などを備蓄しておきましょう。

備蓄例
  • カセットコンロ(ガスボンベ)
  • キャンプ用のコンロ
  • バーベキューグッズ
  • 石油ストーブ(お湯を沸かせるタイプのもの)
  • 卓上電気コンロ、電気ポット、ホットプレート
  • 自家用車のガソリンをいつも充分な状態にしておく(電源)
  • 自家用車のDC電源をAC電源に変換するインバーター
  • 自家発電機、蓄電機(バッテリー)など

(注)家族専用として、ナベ、包丁などの調理器具、皿、箸を準備しておくことは必須です。

トイレの確保

アレルギーとは関係ありませんが、食べることと同じくらい大切なこととして、出すことがあります。市販の簡易トイレ、手作りできる段ボールトイレ、目隠し用のテント、排泄物を固める凝固剤などを用意しておきましょう。

その他の備蓄

家族と一緒に行動できるケース、離れ離れになったケースなどを想定しながら、それぞれのアレルギー症状に応じて、“薬、マスク、衛生用品など”、考えられる必要なものを備蓄しておきましょう。お薬手帳もすぐに持ち出せるようにしておくと役に立つことがあります。

参考となる外部リンク先

災害時のアレルギー疾患への対応方法をまとめた情報をご覧いただけます。

患者さんの避難所での生活上の注意点や、災害派遣スタッフへの注意事項についての資料も含まれています。

この記事に関するお問い合わせ先

総務部防災安全課
電話番号:0573-66-1111
(内線:生活安全係162・防災対策係165・消費生活相談室167)
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