【資料紹介74】成瀬誠志作 陶製「陽明門」

更新日:2021年06月06日

陶製「陽明門」(屋根部分)

陶製「陽明門」屋根部分
(苗木遠山史料館所蔵)

資料紹介:陶製「陽明門」の屋根

成瀬誠志(なるせ せいし)

成瀬誠志は、弘化2(1845)年に恵那郡茄子川村(現 中津川市茄子川)に生まれた陶芸家です。

若いころから郷土茄子川の陶器の製作に従事し、明治4年(1871)に上京すると薩摩焼の上絵付の技法を習得し、東京薩摩と呼ばれる金彩を伴う絢爛豪華な薩摩焼の焼物を製作し大成しました。

陶製「陽明門」

誠志は、明治17(1884)年頃日光を訪れた際、東照宮の陽明門の美しさに感動し、陶器で作ることを決意しました。
明治19(1886)年に郷里茄子川に帰るとその制作に取り掛かり、実物の1/25の大きさ(高さ約75cm×横約45cm)で3年の歳月をかけて完成しました。

その出来栄えが大変素晴らしいものであったため、明治26(1893)年のシカゴ・コロンビア万国博覧会に出品することになりました。
しかし輸送中に船の中で荷崩れし大破してしまったため、やむを得ず破片の一部を出品しましたが、多くの賛辞を得て、工芸一等賞を受賞しました。


参考図書

文献

  • 愛知峰子 (2008) 樋口一葉と万国博覧会―『うもれ木』と「陽明門」―. 中部大学人文学部研究論集, No.19, 224-216.
    書誌ID XC17100309
  • 愛知峰子 (2008) 成瀬誠志作「陽明門」―『うもれ木』との関係―. 中部大学人文学部研究論集, No.20, 118-109.
    書誌ID XC09000083
  • 篠原 守・原 益彦・成瀬 豊 編 (1983) 茄子川焼. 中津川市教育委員会, 119p.

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