【資料紹介77】 苗木藩主も「麒麟がくる」のを待った!

更新日:2021年06月06日

【資料紹介】 苗木藩主も「麒麟がくる」のを待った!

苗木藩主も「麒麟がくる」のを待った!
6代藩主遠山友将(ともまさ)は8歳で相続し18歳で病死しました(1732年)。父(5代友由)も病弱で、亡くなったのは27歳でした。嫡男友将は幼少から病弱でしたが、書画を嗜(たしな)んだので書や絵画などは残されています。写真の「麟鳳」と「亀龍」の書軸(54×120cm)は友将が今なら中学か高校生の頃に書いた作品でしょう。 大河ドラマ「麒麟がくる」で明智光秀の美濃が注目されますが、中国の伝承では、偉大な人が世に現れ、この世を改める、その人の登場の前触れに麒麟が出現すると云われ、戦国の混乱から「天下人」(信長・秀吉・家康)の出現を予兆したものでしょうか。

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「麟(りん)鳳(ぽう)」とは、麒麟と鳳凰(ほうおう)をいい、どちらも偉人の出現を前触れするもののようです。

友将のもう一つの書、「亀龍」は、霊亀と應龍を表します。霊亀と應龍は長生きといわれ、亀龍は長生きを願い祝う言葉のようです。 この麒麟・鳳凰・霊亀・應龍の四つの獣を「四(し)瑞(ずい)」といい、友将は書軸2本でこれを表したのでしょう。しかし彼を救う「救世主」は期待通りには現れず、長生きの期待も友将には叶わず、書跡を残して若き藩主は世を去りました。

今それをしのびます。

2020年11月28日掲載(最終更新 : 2020年11月28日) 中津川市苗木遠山史料館 〒508-0101 岐阜県中津川市苗木2897番地の2

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