【資料紹介】「秘書」と「諸事之覚」

更新日:2021年06月04日

【資料紹介】「秘書」と「諸事之覚」

◆収蔵品 現在、遠山史料館の古文書教室でテキストにしているのが「秘書」ですが、これは瀬戸の庄屋に関わる内容です。 他の文書でも「秘書」と題されたものを時折目にします。 江戸時代の武士は、勤めにおいて、作法・様式・前例を踏襲するのが基本だったようです。 そこでその家の流儀や職務の作法などを「秘書」として親から子へ伝えることが多かったようです。

写真上左側の文書の表紙には、「秘密之書不免他見諸事公事取扱之事」と書かれています。 筆者の河内正俸(まさよし)は通称左中といい、江戸家老でした。

当時の藩主遠山友寿(11代)は、「秘書」でなく「覚え」を多く残しました。二の丸には祐筆部屋と並んで旧記方部屋がありました。 ここに、苗木藩歴代の古文書が置かれていたのでしょう。江戸では火事が多く、江戸屋敷の文書は焼失する危険が常にあり、 友寿は写し置く必要を考え、歴代の記録からその要点を書き写す抄録を多く残しました。

明治になって、廃藩置県の前に苗木藩では藩の公文書はほとんど処分したようで、残っていません。 幸い、藩主の手になる書は、遠山家として残り、現在遠山文書として、史料館に所蔵されています。 友寿公の「覚え」は苗木藩では貴重な記録になっています。 (ち)

naegi-toyama_intro_20141010_2c.jpg

2014年10月10日掲載(最終更新 : 2017年6月 2日) 中津川市苗木遠山史料館 〒508-0101 岐阜県中津川市苗木2897番地の2

電話 0573-66-8181 ファクス 0573-66-9290

中津川市苗木遠山史料館

〒508-0101 岐阜県中津川市苗木2897-2
電話番号0573-66-8181
ファックス0573-66-9290
メールによるお問い合わせ