家庭で一週間分以上の備蓄をしましょう

更新日:2022年07月07日

なぜ食品の家庭備蓄が必要なのですか

いざ災害が発生すると、電気、ガス、水道などのライフラインが使えなくなったり、道路ががれきや土砂で塞がれたりして、物流が機能しなくなったりするおそれがあります。

過去の例によれば、災害発生からライフラインの復旧まで1週間以上かかるケースがほとんどで、スーパーやコンビニで食品が手に入らないことが想定されます。また、国や県、他自治体から災害支援物資も届けられますが、発災からおおむね4日目以降(道路の状況によっては遅れます)ですし、支援物資や市の備蓄も住家を被災された方に届けられます。

このため、物流が動き始めるまでの間、最低でも3日分、できれば1週間分くらいの食品を家庭で備蓄しておくことが重要です。

災害が起こったとしても、いつもと同じ温かく栄養バランスのとれた食事があれば、心身ともに満たされ、前向きな思考と元気に活動するエネルギーが湧き、災害を乗り切ることができます。

備蓄ときくと、何から始めたらいいのかわからなくて難しく感じるかもしれませんが、コツさえつかめば無理なく始められます。そこで、何をどれだけ、どういう方法で備蓄するのか。食に関係する備蓄のコツを紹介します。

ローリングストックで無理なく始める

普段食べているものを消費しながらストックする「ローリングストック法」がおすすめ。

食品の備蓄は簡単に、誰でも無理なく始められます。普段食べているカップ麺や缶詰、インスタント食品など少し多めに買い置きし、賞味期限の古いものから消費し、食べたらその分を補充していくだけです。

蓄える、食べる、補充することを繰り返しながら一定量の食品が備蓄されている状態を保つので、ローリングストック法とよばれます。日常生活に取り入れてみましょう。

ローリングストック 買う、そなえる、たべるのサイクルの絵

1.普段食べている食材を多めに買う

2.普段の食事で食べる

3.買い足して、補充する

備蓄のめやす

まずは、家庭にある食品をチェックし、栄養バランスを考え、家庭の人数や好みに応じた1人1週間分の備蓄内容や量を検討しましょう。

水と調理用の熱源、トイレ用品は必需品

  • 水は、飲料水と調理用水として1人1日おおよそ3リットル程度必要です。一部をジュースや牛乳などに代用すると良い。水道水は、塩素による消毒効果があり、3日程度は飲料水として使えます。保存するときは、清潔な容器に口いっぱい入れ、しっかりフタをして涼しい場所に置きます。井戸水、湧水など近くに利用可能な水源がある場合は施設の保守を行いましょう。
  • カセットコンロの代わりとして、キャンプ用のコンロ、バーベキューグッズ、石油ストーブ(お湯を沸かせるタイプ)、卓上電気コンロ、電気ポット、ホットプレートが考えられます。
  • カセットボンベは、1人1週間あたり約6本必要です。ガスボンベ1本で約60分の使用が可能です。
  • 食べることと同様に出すことは、最も重要です。トイレが使用できない場合を考慮して、市販の簡易トイレ、手作りできる段ボールトイレ、目隠し用のテント、排泄物を固める凝固剤や袋、トイレットペーパーを準備しましょう。排泄回数の目安は1人あたり1日5回、7日分程度です。

電源の確保

電気コンロなどを準備される場合は、併せて電源を確保しましょう。情報収集のための携帯電話の充電でも重宝できます。(専用に乾電池や電池式の携帯電話充電器などを準備してもよい。)

  • 自家用車のガソリンは半分に減ったら給油する(電源)
  • 自家用車のDC電源をAC電源に変換するインバーター
  • 自家発電機、蓄電機(バッテリー)など

その他の水

飲料水や調理用水とは別に、湯せん、食品や食器を洗ったりする水、トイレを流したりするための生活用水も必要です。日頃から、水道水を入れたポリタンクを用意する、お風呂の水をいつも張っておくなどの備えをしておきましょう。

冷蔵庫内の食材を活かす

1日目から2日目にかけては冷蔵庫・冷凍庫の中身で過ごします。停電に備えて、クーラーボックスと保冷剤があると便利です。また、冷凍庫の中身はクーラーボックスに詰め替えることで保冷剤としての役割も果たすので、他の食材を長持ちさせることができます。

主菜

災害時は、炭水化物ばかりになりがちで、栄養バランスが崩れ体調不良や病気になる可能性があります。手軽にタンパク質をとれる缶詰やレトルト食品は便利品。魚介の缶詰や、肉類の缶詰、肉や魚を使ったレトルト食品がおすすめ。

大人1人分の例

  • 肉、野菜、豆などの缶詰を9缶
  • 牛丼の素やカレーの素などのレトルト食品を9個
  • パスタソースなどのレトルト食品を3個

主食

ごはん・パン・そば・うどんは、エネルギー源になります。

大人1人分の例

  • 米2キロ
  • カップ麺類を3個
  • パックご飯を3個
  • 乾麺(そうめん300グラムを1袋、パスタ600グラムを1袋)

副菜と果物

野菜不足からビタミン、ミネラル、食物繊維などの栄養素がとれず、便秘・口内炎などに悩んだという声もあります。栄養素をとるために野菜を常備しておきましょう。じゃがいも、たまねぎ、かぼちゃなどの日持ちする野菜を多めに買い置きし、野菜ジュースやドライフルーツなども、あるとよい。

  • 梅干し、漬物、日持ちする野菜類
  • 野菜の缶詰、野菜ジュース
  • りんごやみかん、柿など日持ちのする果物
  • 果物の缶詰
  • 果物のジュース
  • ドライフルーツ

その他

あめ、羊羹、チョコレート、ビスケット、せんべい、スナック類の菓子・嗜好品、みそ、しょうゆ、塩、砂糖、酢、食用油、マヨネーズ、ケチャップなどの調味料、インスタントみそ汁や即席スープ

乳幼児や高齢者、持病・アレルギーのある方は

東日本大震災では、アレルギー対応食品を、1か月以上入手できなかった方がいます。それぞれの人に合った食品を1週間分以上、できれば10日間分の備蓄することが重要。

災害時には、乳幼児や高齢者、食べる機能(かむこと・飲み込むこと)が弱くなった方、慢性疾患の方、食物アレルギーの方などの食事は大切になります。できるだけ普段の状態に近い食事がとれるように備えておきましょう。

乳幼児の備え

どうしても母乳で足りない方は、粉ミルクや液体ミルクを活用することもできます。そのため、ミルクと哺乳ビン、紙コップや使い捨てのスプーンを備えておくと安心です。

離乳食の備え

びん詰やレトルトの離乳食を多めにストックしておきましょう。普段から食べ慣れておきましょう。

好きな食品や飲み物

子供が好きな食品や飲み物を備えておくと、災害時でもリラックスしたり安心したりできます。

高齢者の備え

体力が落ちた時や食欲がなくなった時などに備え、レトルトのおかゆやインスタントのみそ汁などがあると安心です。体が弱ったときにどんなものが食べたくなるかを想像してみましょう。

食べる機能が弱くなった方の備え

介護食品の活用が考えられます。レトルトの介護食品やとろみ調整食品など食べる機能に応じて様々なスマイルケア食があり、ドラッグストアで購入できます。

慢性疾患の方の備え

慢性疾患の方は、災害時に症状が悪化しがちです。栄養バランスの良い食事を心がけ、医師が処方した食事療法を普段と同じように継続できるよう、備蓄する食品の内容を工夫しましょう。缶詰やインスタント食品、レトルト食品などは塩分が多いため注意が必要です。

食物アレルギーの方の備え

アレルギー対応食品は、災害時には特に手に入りにくくなるので注意が必要です。

一般の方より多く、できれば10日間分の備蓄をしておきましょう。

非常用持ち出しバッグの準備はできていますか

自宅が被災したときは、安全な場所に避難しそこで生活を送ることになります。

事前にハザードマップで確認して自宅が危険区域に入っている方、自宅の耐震性に不安がある方などは、非常時に持ち出すべきものをあらかじめリュックサックに詰めておき、いつでもすぐに持ち出せるようにしておきましょう。

非常用持ち出しバッグに入れる物の例(人数分用意しましょう)

  • 飲料水、食料品(カップ麺、缶詰、ビスケット、チョコレートなど)
  • 救急用品(ばんそうこう、包帯、消毒液、常備薬など)
  • ヘルメット、防災ずきん、軍手
  • 懐中電灯、携帯ラジオ、予備電池、携帯電話の充電器
  • 衣類、下着、寝袋、タオル
  • 洗面用具、使い捨てカイロ、ウェットティッシュ、携帯トイレ、マスク、消毒液
  • 貴重品(預金通帳、印鑑、現金、健康保険証、お薬手帳など)
  • 乳児のいるご家庭は、ミルク、紙おむつ、ほ乳びん

関連サイト

この記事に関するお問い合わせ先

総務部防災安全課
電話番号:0573-66-1111
(内線:生活安全係162・防災対策係165・消費生活相談室167)
メールによるお問い合わせ

知りたい情報が見つからない・わかりにくかったとき