付知の木工製品が歌舞伎役者のもとへ!思いを込めるモノづくり
中津川市は、総土地面積の8割を森林が占め、樹齢数百年のヒノキが伊勢神宮の「式年遷宮材」として使用される木曽ヒノキ備林を有するなど、県内でも有数のヒノキの産地です。
そんな中津川で制作された木製品が歌舞伎役者の2代目 尾上 右近さんの元へ届けられました。
その製作を担った有限会社 然の内木 勇さんにお話を伺いました。
制作のきっかけ
「曽祖父の6代目 菊五郎さんが使われていた鏡台を再現したい」という右近さんの思いを知った日本木材青壮年団体連合会(以下、「木青連」)の方が、「右近さんに鏡台をプレゼントしよう」ということで、木青連の知人を通じて内木さんに依頼された。
昔と現代の技術の融合
製作は木曽ヒノキにこだわりつつも、鏡台の美しい模様は、木青連の方が集めた材で国指定伝統工芸品である「箱根寄木細工」を制作してもらい、箱根から取り寄せた。
右近さんから「(菊五郎さんの)鏡台の寸法を守りつつ、現代の要素を取り入れてくれれば」と託され、竹釘(竹で作られた釘)などの技法を取り入れつつ、緩みの調整や磁石での脱着、汚れを防ぐ摺り漆でのコーティングなど、「一生使ってもらえるように」とさまざまな工夫を凝らした。
特に、鏡台の両側の湾曲は、第55回「日本クラフト展」(2016)にて経済産業大臣賞・日本クラフト大賞を受賞した曲板の技術が用いられており、菊五郎さんの鏡台に使われた伝統技法と、新たな技術の融合を試みている。
思いを込めなければいいモノはできない
今回の製作にあたっては、京都と東京の歌舞伎座での公演に出向き、製作したサンプルを交えた打ち合わせも経て、なんと2年がかかりの製作だったとのこと。
これについて内木さんは、「モノに思いを込めないと絶対にいいものはできない。お客様に直接会って、真摯に製作している」と強く語り、「(中津川市は)木の地域で、ヒノキ、スギ、針葉樹が多い。外国からではなく、地元の木を使って回していけたらと思う。そのためには木の価値をあげる必要がある。」と中津川の木材産業に対する思いもお話いただきました。
また、5月3日(祝・金)・4日(祝・土)には、道の駅花街道付知イベント広場にて、「木」がテーマの「つけち森林(もり)の市」が行われます。
木の香りが漂う会場には、職人の技が光る木製品からアウトドア用品や体験ブース、飲食店などさまざまなお店が並びます。
キッズスペースの用意もあり、小さなお子様連れも楽しめるイベントですので、ぜひ遊びに来てください。
会社概要
2004年 | 内木 勇(1970年岐阜生まれ)により設立 |
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中津川市付知町にて木工家具の制作を行う | |
2010年 | 木曽五木を活用したasahinekoブランドを開始 |
2012年 | 曲板を活用したambai風呂椅子をデザイナーの小泉 誠 氏と協働 |
つけち森林の市
日時:令和6年5月3日(金・祝)10時~17時/4日(土・祝)9時~15時
場所:道の駅花街道付知 イベント広場(岐阜県中津川市付知町8581-1)
問合:中津川北商工会付知支所(0573-82-3884)
この記事に関するお問い合わせ先
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更新日:2024年05月01日