《苗木城跡を歩く31》大矢倉

更新日:2024年07月10日

大矢倉

春の大矢倉周辺

風吹門跡の左側に大きな櫓(やぐら)跡がある。大矢倉と呼ばれ、俗に御鳩部屋(お姫様が、鳩が好きであったので建てられたともいわれているが、真偽のほどはわからない)とも呼ばれていた。石垣を高く築き立て、その上に3階造りにしてあった。縦横2×3間位の大矢倉で、高さは石垣の下から12m程であった。外観は床下の1階が見えないので2階の建物に見えた。

この大矢倉は、城内最大の櫓建築で、北方の尾根続きからの攻めに対する押さえが主な目的で、また西に少し張り出して作られることによって強力な横矢を掛ける構えになっていた。享保年代の「苗木城絵図」には壁に矢など射る数多い狭間(さま)も描かれている。

建物は床下が物置所になっており、2階は中之間、3階は上之間と呼ばれていた。この大矢倉より南側は風吹門2階まで、縄、干草蔵まで建物続きとなり、東側は作事門まで諸蔵が順々に建て続いていた。

 

苗木流通センターだより令和6年5月掲載

 

大矢倉絵図

苗木城絵図 大矢倉周辺 享保年代(当館蔵)

大矢倉CG

風吹門と大矢倉 CG(制作 浅野孝司)

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