⦅資料紹介17⦆皇女和宮 中津川宿泊時の人足囲所
『萬諸用留記』 人足囲所絵図
「萬諸用留記 」表紙
『萬諸用留記』人足囲所絵図は、「皇女和宮 中津川宿泊」時の状況を知ることができる資料です。
この絵図面は、文久元年(旧暦1861年10月29日)に和宮降嫁の本行列(第3陣・総勢18 ,000人)が通行・宿泊した際につくられた人足囲所の一つを描いたものです。
囲所は、人足(荷物などを運ぶ人達)が休息・宿泊するための場所で、中津川宿の本陣通りにつながる小路の空き地(野原)10か所に作られました。
その造りは、何本もの木材と竹の杭を縦25間(約45m)、横15間(約27m)ほどの長方形に立てたもので、屋根もなくただの囲いにすぎませんでした。
絵図には、この中に「坪4人詰・1,500人詰」と書かれています。一坪に4人、一つの囲所で1,500人ということになります。
一見、何とかなる広さのようにも見えますが、囲いの中の一部に釜屋・それと人足自身の荷物などがあり、相当に狭く想像を絶する環境下に置かれていたことがわかります。
「皇女和宮 中津川宿泊」は、今の暦では11月末から12月はじめごろで、その夜の八ッ時(2時頃)から雨で人足が難渋し、病人がでたという記録もあります。
「歴代日記手扣」(個人蔵)には、耐えることすらできぬ人足がいたことなどを記した記録が残されています。
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更新日:2023年04月04日