⦅中津川宿6⦆間家大正の蔵
旧間家倉庫(間家大正の蔵)
この倉庫は、大正6(1917)年ごろに建てられた、外側がモルタル塗り、鉄筋コンクリート構造3階建です。
明治以降の近代的工法と、従来の土蔵作りが混在した建築方法がとられており、滑車を利用して3階まで荷物を上げることができるようになっています。
平成7年(1995)年に「旧間家倉庫」として中津川市の指定文化財になっています。
現在は「間家大正の蔵」として公開され、敷地内の庭園は一部失われ小さくなっていますが、ほぼ当時のままの姿を伝え豪商の庭園らしい趣をもっています。
織部燈籠(おりべとうろう)
織部燈籠
庭園には、間家の別荘に置かれていた織部燈籠(中津川市指定文化財)が移設されています。
織部燈籠とは、蹲踞(つくばい)の鉢明りとして使用する、四角形の火袋を持つ活込み型の灯籠です。
奇抜な形から江戸時代の茶人 古田織部好みの燈籠ということで「織部」の名が着せられました。
蔵の所有者であった間家
間家は江戸時代の初めごろには、中津川村に移り住み、中津川宿新町に屋敷を構えて東濃随一の豪商と言われるようになりました。
間家は尾張徳川家と御用商人としての関わりがあり、丸の中に八と星(●)という屋号「丸八星(まるはちぼし)」を拝領したと言われています。
この十八屋丸八間家の分家には「山半、山五、山十」などがあり、どの家も中津川村の大きな商人でした。また、俳諧興隆、人間浄瑠璃、地芝居の発展など文化面においても大きな貢献をしました。
間家大正の蔵の庭園に胸像が建てられています。その人物は、間家九代目「間杢右衛門道矩」で、明治39(1906)年中津高等女学校を造って寄付し、この地方における教育の向上に大きな貢献をしました。
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更新日:2021年04月01日