⦅資料紹介30》山畑遺跡の石製模造品
石製模造品
第一展示室に展示中の山畑(やんばた)遺跡の石製模造品を紹介します。
石製模造品とは緑泥片岩などの比較的軟質の石材を使って器物や人・動物などを模造した古墳時代の祭祀具で九州から東北まで全国的に分布しています。石製模造品はまず古墳に副葬品として納められその後、祭祀に使われるようになり、祭祀遺跡から出土するようになるといわれています。
山畑遺跡は神坂地区にあります。石製模造品の他、石鏃や有蓋高杯などが出土しています。南東に向かうと祭祀遺跡で有名な神坂峠遺跡があります。この辺りは東山道が通っています。東山道の起点は近江国の勢多駅で、不破の関を通過し美濃国に入り各務・可児・土岐・大井・坂本、神坂峠を越えて信濃国に入り、伊那谷を北上して松本平を通りかつて国府のあった上田を通過して碓氷峠を越え上野(こうずけ)国から東に進んで下野(しもつけ)国を通りそこから北へ向かい陸奥国・出羽国へ通じていました。
交通の難所や境界の祭祀遺跡は「あらぶるカミ」から身を護ることが重要だと思われます。旅人は剣・勾玉・有孔円板・臼玉などを供え旅の無事を祈り東山道を歩んでいったのではないでしょうか。
参考文献・・市澤英利『東山道の峠の祭祀 神坂峠遺跡』新泉社2008
佐久間正明・福島県における石製模造品の様相.文化講演会(福島県文化財センター白河 館).2020
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更新日:2025年11月22日