⦅資料紹介29》平田先生著述価控

更新日:2025年11月15日

平田先生著述価控と永楽屋東四郎

平田先生著述価控

間家資料資料目録No.1353−1     永楽屋東四郎からの書状

永楽屋東四郎からヤマハン間家に平田篤胤著の本の値段を知らせた書状です。『古史成文』『古史徴』『玉多須喜』等の書名が見られます。後半には『八犬伝 大揃』『西遊全伝』の代金も記されています。

最後に永楽屋東四郎の署名があります。

永楽屋東四郎

 永楽屋東四郎は名古屋の著名な版元で、初代直郷が風月堂孫助店に奉公し、安永5(1776)年に独立したといわれています。明倫堂(幕府の学校)御用達という漢籍中心の本の内容、商法共に固い経営から本居宣長、及びその一門の著作を中心とする国学書や『北斎漫画』に代表される絵本類などを取り扱い、大垣・江戸にも出店しました。

寛政3(1791)年ころ、蔦屋重三郎と提携を始めたと思われます。二代目東四郎善長の時、天保4(1833)年、江戸に出店しています。名古屋の書肆でこのように出店したのは永楽屋だけです。大垣の店は文化頃にたたみ、江戸の店は弘化頃に独立した様子です。名古屋の店は昭和26(1951)年に廃業となりました。

うい山踏

間家資料目録No.補7

うい山踏裏

本居宣長著の『宇井山踏』の見返しには「弘所」(販売店)として永楽屋東四郎がみられます。

直ひ霊

間家資料目録No.792

直ひ霊裏

本居宣長著『直毘霊   全』の巻末に「尾張名古屋東壁堂蔵版略目録」が掲載されています。

店の住所は名古屋と江戸となっています。

参考文献・・太田正弘『尾張出版文化史』六甲出版。1995

                       名古屋市博物館『名古屋の出版   江戸の本屋さん』名古屋市博物館1981

                       名古屋市博物館『北斎だるせん!図解』名古屋市博物館2017

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