⦅資料紹介19⦆えびす講

更新日:2023年11月23日

江戸風俗年中行事 十月

えびす講

江戸風俗年中行事    著者 鮮斎永濯    出版社 東陽堂    刊行年 明治23(1890)年

えびす講とは

上の絵は、江戸時代の年中行事10月20日に行われたえびす講の絵です。えびす講とは「商家で商売繁盛を祝福して恵比寿を祭ること。親類、知人を招いて祝宴を開く」(『広辞苑』)とあります。商家はえびす講に熱心でした。えびす様は商売の神様だからです。商人たちは顧客を招いてえびす講を開催し盛大に店の商品を売買し、高値で売買が成立すると大騒ぎとなりました。この行事は年末にむけての景気づけでした。「1」中津川の豪商たちもえびす講を行い、商いの情報交換や金銭の融通などをしていたと思われます。

えびす様とは

「七福神の1つ。もと兵庫県西宮神社の最神蛭子命(ヒルコノミコト)海上・漁業の神、又、商売繁盛の神として信仰される。風折烏帽子(かざおりえぼし)をかぶり、鯛を釣り上げる姿に描く」(『広辞苑』)

一説によるとイザナミ、イザナギの第一子蛭子(ヒルコ)のことであるとされています。ヒルコはオノゴロ島(淡路島と推定)から葦で編んだ船で海に流され、船が漂着した現在の兵庫県西宮に鎮められ社を建てました。それがえびす信仰の総本社とされる西宮神社です。「2」

中津川と西宮神社と十日市

東濃地方の交通と物流の要衝である中津川に在住して、盛大に商売を行っていた商家達が、この地域の文化や経済の発展と諸家の益々の繁栄を願い、えびす信仰の総本社である西宮神社から御分霊をこの地へと請願し、商店街には木像の七福神が祀られ、明治28年12月26日に西宮神社を創建しました。西宮神社では本宮の例大祭と同様に毎年1月10日に「10日えびす」として大祭が行われています。「3」多くの人で賑わいます。

「1 」,「2 」  http://www.nippon.com/ja/japan-topics/c11810/     日本の年中行事

「3 」  http://www.gifu-jinjacho.jp/syosai.php?shrno=2211  岐阜県神社庁-西宮神社

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