⦅資料紹介18⦆諸職人物画譜

更新日:2023年11月07日

「諸職人物画譜」一需斎其春 等画  安政6(1859)年刊、個人蔵

江戸時代の様々な職業の仕事風景が描かれた作品で、仕事風景の他にも庶民のなにげない暮らしぶりが感じられます。本書は当時の絵手本として制作されたもので、当時の絵師を目指す人たちの参考書でもあったようです。本の冒頭では「画家の雪舟先生が、画は一つの品性のあるものだ、と言っている。世に名を残した絵師の基礎を受け継いで人物草木花鳥を集めて一冊の書とし、見るままに人物工細を何枚も書き尽くして諸職人物画譜を顕した」と書いています。

 

脱穀・籾摺り

脱穀・籾摺り

上段の絵は稲の穂先からもみを落とす作業の様子です。まだ脱穀機のない時代、からさお打ちと言って、竹竿の先端に回転する短い棒を取り付けた形状の竿をたたきつけていました。

下段はもみすりの絵です。若い女性が左手で臼に籾を入れながら右手では、呼吸の合わなさそうな三人の漕ぎ手の調子を取り、臼を回しています。その姿が滑稽に見えるところがこの絵の面白さでもあり、作業の様子を見事に表わしています。

雪遊び・雪うさぎ・糸巻き・桶湯・行水・化粧

雪遊び

とてもほのぼのとした様子の絵です。子供たちが大きな雪玉を作っています。糸巻きをしている人や熱いお風呂に入ろうとしている人、お化粧をしている人も見受けられます。人々の日常が生き生きと伝わってくるイラストです。

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