北海道石―鮮やかに蛍光する有機鉱物
紫外線によって蛍光する表層の緑色部と表層近くの黄色部が北海道石 [Hokkaidoite]。
2023年に発表された日本産新鉱物で、C22H12という組成をもつ有機化合物の結晶、すなわち有機鉱物です。
通常光で黄褐色に見えるのはオパールで、北海道石はオパールに内包されています。
産地の北海道然別湖周辺地域は、以前から赤・オレンジ・黄・緑・青など鮮やかな蛍光を発するオパールが産することが知られていました。
温泉沈殿物としてできたと考えられるこれらのオパールが、なぜ鮮やかな蛍光を発するのか。有機物が原因かもしれないと考えられていましたが、北海道石など数種の有機鉱物がオパール中に含まれ、蛍光を発していることが分かりました。
北海道石などの有機鉱物はたいへん珍しい存在ですが、未解明の部分が多い石油の生成過程ともかかわりが深く、その謎を解明するカギとなるかもしれません。
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産地 北海道河東郡鹿追町北瓜幕
(採集許可:環北大国許第2307051号) -
大きさ 標本左右約7.5cm
参考図書
文献
- Tanaka, R., Hagiwara, A., Ishibashi, T. and Inoue, Y. (2023) Hokkaidoite, IMA 2022-104. CNMNC Newsletter 71; Mineralogical Magazine, 87(2), 334-334.
DOI 10.1180/mgm.2023.11
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更新日:2023年11月01日