地歌舞伎・文楽・獅子芝居

更新日:2022年07月25日

中津川に根付く街道文化

江戸時代、中津川は中山道が通っており、多くの人が行き交う宿場町でした。街道を行き来する文化人たちによってもたらされたさまざまな芸能は、中津川の地に根付き発展し、今でも受け継がれています。

その中でも、地歌舞伎、文楽、獅子芝居の3つの芸能を紹介します。

中津川の地歌舞伎

プロの役者が行う大歌舞伎と区別して素人が歌舞伎を演じることを「地芝居」もしくは「地歌舞伎」といいます。

岐阜県は地歌舞伎が盛んで「日本三大地歌舞伎」と呼ばれています。その中でも東濃地方は地元の歌舞伎保存会が今もなお活動し、伝統が受け継がれている地域です。

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市内の歌舞伎保存会

東濃歌舞伎中津川保存会

定期公演:3月第1日曜日(東美濃ふれあいセンター歌舞伎ホール) 中山道中津川宿の地歌舞伎は、江戸中期から、本町と新町にあった2つの芝居小屋で競い合うように盛んに演じられていました。保存会の定期公演は昭和27年から毎年途切れることなく実施されています。地元の歴史を題材としたこの地方独自の芸題の復活にも取り組み、他では見られない芝居を楽しむことができます。

常盤座歌舞伎保存会

定期公演:3月最終日曜日(常盤座) 明治24年に建てられた木造の劇場型農村舞台「常盤座」を拠点に活動しています。毎年3月の最終日曜日に行っている定期公演と併せて、福岡地域の小中学校から参加者を募り、発表会を開催しています。

加子母歌舞伎保存会

定期公演:11月第1日曜日(かしも明治座) 明治27年に地元の有志によって建てられた明治座が、昭和47年に岐阜県の重要有形民俗文化財の指定を受けました。それをきっかけに、加子母歌舞伎愛好会として再興し、翌年には加子母歌舞伎保存会と改称しました。

蛭川歌舞伎保存会

定期公演:10月第3日曜日(蛭子座) 保存会の活動拠点となっている蛭子座は、昭和24年、当時の御園座を模して公民館として改築されました。歌舞伎の上演が行われない時期もありましたが、平成2年から復活し、以降毎年公演を開催しています。

坂下歌舞伎保存会

定期公演:11月第4日曜日(坂下公民館) 昭和41年、会員制の保存会が発足し「萬歳座」を保存会が管理していくこととなりました。県下初の試みとして注目されましたが、旗揚げ公演から間もない同年4月、萬歳座は不審火で焼失してしまいました。翌年の公演は休止となりましたが、以降は公演場所を変えながら、保存会の熱意と地域の理解と支援によって公演を続けています。

安岐歌舞伎保存会

活動休止中 阿木地域は、元禄11年の操り人形興業の記録が残っており、古くから芝居が行われていた地域です。昭和60年の保存会結成以来、平成11年まで盛んに地歌舞伎が行われていました。現在は活動を休止しています。

歌舞伎イベント情報

歌舞伎のイベントについてお知らせします。岐阜自慢ジカブキプロジェクトの公演情報のサイトにリンクしています。

中津川の文楽

文楽とは、浄瑠璃と人形によって演じられる「人形浄瑠璃操り芝居」です。三味線と義太夫の語りを合わせて「浄瑠璃」と呼びます。 役を演じ分ける義太夫の語りや、様々な情景を演出する三味線、まるで人間のように動く人形の3つが一体となって、芝居を作り上げます。

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市内の文楽保存団体

恵那文楽保存会

毎年9月29日に行われる恵那神社例大祭にて恵那文楽の奉納を行っています。 元禄年間の初期に淡路のくぐつ師が美濃国に巡業し、川上地区の人々に人形浄瑠璃を伝授したのが起こりだと伝えられています。歌舞伎の人気や非芸人の興業の禁止により一時衰退しますが、明治に入り大阪から師匠を招き復興し、大正から昭和の初期にかけては隆盛を極めます。戦争や娯楽形態の変遷から苦境を迎えた時期もありましたが、地域の人々の地道な活動により、現在まで人形の首と芸は大切に守り伝えられています。

恵那文楽関係の文化財
  • 恵那文楽(岐阜県指定無形民俗文化財)
  • 恵那文楽人形頭(岐阜県指定有形民俗文化財)

付知町翁舞保存会

毎年9月に行われる五社巡祭にて翁舞の奉納を行っています。 付知の翁舞は300年にわたり祭りの神事の一環として行われています。延宝から天和にかけて大飢饉や疫病が流行した際に、悪疫退散と死者の供養を目的に、天和2年に淡路人形を操り、産土神に守護を祈ったのがはじまりと言われています。能や狂言には特別な祝い事に、翁と三番叟を舞う伝統がありますが、これを文楽の人形に舞わせるのが、付知の翁舞です。

翁舞関係の文化財
  • 翁舞・附人形頭と面(岐阜県指定無形民俗文化財)

岐阜県文楽・能大会

岐阜県内では5市町7団体の文楽・能団体が活動し、岐阜県文楽・能保存振興協議会を結成しています。 平成8(1996)年から岐阜県の各保存団体の活動成果を広く県民に公開することで、古典芸能に対する理解を深め、地域文化の高揚を図るとともに、各保存会の更なる活性化を目的に岐阜県内各地で岐阜県文楽・能大会を開催しています。

中津川の獅子芝居

獅子芝居とは、主役の女形が獅子頭をかぶって芝居を演じる伝統芸能です。この地域へは江戸時代の中頃に三河から伝えられました。 獅子頭を被った主役の独特の所作が笑いを誘う、古くから庶民に親しまれた芸能です。

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市内の獅子芝居保存会

加子母獅子芝居保存会

白山神社にて奉納獅子芝居公演を行っています。 加子母には、昔から獅子舞に付随して、獅子を使った獅子芝居が伝わっていました。この獅子芝居は地歌舞伎とも深い関わりを持っています。 加子母の獅子芝居は100年以上前から受け継がれてきており、当時のままの台本も大切に保管されています。貴重な伝統芸能を次世代、孫の世代までつなごうと精力的に活動しています。

岐阜県獅子芝居公演

「岐阜県獅子芝居公演」は、各地区の獅子芝居保存団体の相互協力に努め、獅子芝居の魅力を発信するとともに、その活用により伝統文化の継承及び新しい文化の創造を促進し、地域文化発展の一助となることを目的として、平成13(2001)年から岐阜県内各地で開催しています。

この記事に関するお問い合わせ先

文化スポーツ部文化振興課
電話番号:0573-66-1111(内線4319)
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