No.1 しめ縄作りの達人

更新日:2021年03月04日

鷲見米二さんは、蛭川の今洞地区に住まれ、なんと御年96歳になられてもイノシシの捕獲・解体やワラジ・しめ縄作りを現役で続けておられる達人です。広報なかつがわ2021年新年号の表紙も飾って頂きました。米二さんのお人柄と、ご自宅の囲炉裏小屋の居心地の良さに、”ヨネさん、来たよ!“と、遠方からも多くのファンが訪れます。自然の中で身体が仕込まれて逞しく優しく生きておられるヨネさんです。

米二さんからお聞きした内容を聞き書き風にまとめました。 

しめ縄を作る鷲見さん

鷲見米二です。大正13年生まれ。11月で96歳になったわ。この前、最長老が亡くなったもんで、蛭川の男で一番上になっちまったわ。運転免許の更新に行ったら、”本当に、大正生まれ!?”と信じてもらえなんだ(笑)。絵を順番に見といて、あとから何の絵だったか言うやつ、あれ今でも全部言えるぞ。”大砲、オルガン、じゃがいも、てんとう虫、フライパン、ライオン、ラジオ、たけのこ”。隣におった若い女の人に、”わからんで教えて”と言われたわ。免許の更新も最後やな。

藁づかいは、小さいころからやっとる。昔は、ワラジを履いて山へ行ったでの、みんな作りょうた。二重に編んであるで、なかなか大きさ揃えてできん。前に恵那農高の先生が4日間来て覚えてった。そうやってやらにゃ覚わらん。毎年、蛭川の杵振り踊りのワラジや、犬山祭りのワラジも800足くらい頼まれとる。一日3足くらいしか作れんで、何人かで分けて編んどる。去年は中止になってあかなんだが。

鳥居や社のしめ縄を綯える人がおらんようになったもんで、あちこちから頼まれとる。中津の街でも、十日市やる西宮神社や八幡神社とか6箇所から頼まれとる。多治見の神社のは、一番デカくて、長さが12メートルもある。一番太いところは直径で12センチくらいや。鳥居の幅が3メートルとすると、しめ縄はその倍6メートルいるでな。しめ縄用に青田刈りしたワラを農家から買っとるけど、藁もようけいいるぞ。真ん中の太いとこは、一人じゃできん。二人で向き合って、藁足して、撚りかけて、太さと締め具合見ながら綯ってく。ギュギュっと縒りをかけなあかんけど、年やもんで力が入らんようになったわ。何人か習いに来るけど、ようけい作らんと上手にならん。だれかしめ縄やらんか。藁仕事ちいと覚えた方がいいわ。

しめ縄を作る鷲見さん

今年は、イノシシよう獲れるな。一昨年は豚コレラで獲れなんだでな。今朝も、小さいやつ2頭獲って来たわ。くくりわなでな。檻でも獲るよ。足が悪うなったで、軽トラに乗せるときは、誰かに一緒に行って貰わな上がらんようになった。イノシシは25の歳から担いどる。もう70年担いどる。ワナで捕るようになったはこのごろ。ワナに掛かると、うちに無線がピッピッっとか、そんな機械を買って、今は寝とって、あーイノシシ掛かったなぁ、って思って。ワナにかかるとウキウキする。猟が好きやもんで続いとるわ。昔は70、80人も猟師おった。わしも、鉄砲は返しちゃって、いま鉄砲撃つ人は2人しかおらへん。イノシシが畑に出たで来てくれ、芋掘ったで来てくれ、って、みんなから電話かかってくるけど、もう年も年やもんでよ。イノシシは増えた、増えた。百姓衆が往生しとる。イノシシが増えちゃっうで誰かが獲らんと。

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