⦅中津川宿29⦆木曽海道六拾九次之内 「雨の中津川」と松の枝

更新日:2022年04月21日

木曽海道六十九次之内 中津川 「雨の中津川」

大錦 木曽海道六十九次 雨の中津川

木曽海道六十九次之内 中津川 「雨の景」 歌川廣重画復刻版(当館蔵)

雨の中津川 静岡市東海道広重美術館蔵

木曽海道六十九次之内 中津川 「雨の景」

静岡市東海道広重美術館蔵

歌川廣重が描いた中津川の図は、まったく図柄を違えた「雨の中津川」「晴れの中津川」2種類の版があります。

最初に作られたのは歌川廣重が得意とする「雨の中津川」で、画面中央の松の木を境に左半分に水面をとおして恵那山を望み、右半分に街道筋に立ち並ぶ家並みや江戸方面に向かう旅人や京方面に向かう3人組がバランスよく描かれています。

この図は世界中で現存している枚数が極めて少なく、それらの摺具合から見て初版で終わったのではないかと言われており、何らかの理由で版元の錦樹堂が版木を紛失したのではないかといわれています。

「雨の中津川」と松の枝の謎

雨の中津川宿(「風俗圖繪集」)

昭和4(1929)年 日本名著全集刊行會発行

「風俗圖繪集」(当館蔵)より

 

展示の準備過程で、「雨の中津川」について絵の中に描かれた「松の枝の本数」が異なるものが存在することがわかりました。

当館所蔵の上側作品と右側の白黒作品を比べてみてください。

画面中央に大きく高く伸びた松の木が描かれ、幹の右側から枝が分かれています。この枝の本数が上の作品では2本ですが、右の作品では3本に増えているようです。

各所で展示されているのは2本枝の作品ばかりです。では、なぜこうしたものが存在するのでしょうか?

ある専門家の見解は、「松の枝に雨の線が摺られており、雨の線を摺る前に何らかの理由で松の枝らしきものが描かれ(もしくは偶然墨で汚れ)、その上から雨の線を摺って完成品としてしまったのではないか。」とのことです。

この白黒作品が載っている本は、昭和4(1929)年、日本名著全集刊行會発行「風俗圖繪(ずえ)集」と昭和5(1930)年、東方書院発行「浮世絵大成 第 12巻」です。これらは、調査の結果、太田記念美術館所蔵の作品が図版として利用されたようです。

雨の中津川宿(「風俗圖繪集」)

昭和5(1930)年  東方書院発行「浮世絵大成 第 12巻」より

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